本年4月より、江戸川区のすくすくスクール学童クラブで「補食」が提供されなくなって以来、当会では様々な保護者の声を耳にしてきました。
特に4月から8月ごろにかけては、「なんとか子どもたちに、アメ玉一個、おせんべい一枚でも、口にさせてやりたい!」との思いで、区内各地の複数の学童クラブ保護者が、各々のすくすくスクールにおいて、「おやつ自主運営」のための様々な働きかけを江戸川区に対して行ってきました。
しかし江戸川区はそのすべてを「分け隔てなく」等の理由により認めず、いま現在、保護者による「おやつ自主運営」は一切実現していません。
そして、その中でつながった多くの保護者達の中に、いま、挙がっている声があります。
それは、「これは、単に“おやつ”だけの問題ではないのかもしれない」という声……
江戸川区の「すくすくスクール(学童クラブ)」そのものへの不安、疑問の声です。
これは、ここにこうして集まった私たちだけが、たまたま抱いている不安や疑問なのだろうか?
そんな思いを、この件に関わって以来、ずっと持ち続けています。
そこで当会では、実際の利用者(過去の利用者を含む)の方々の、すくすくスクール(学童クラブ)に対する生のご意見、お考えを、教えていたけないだろうかと考えました。
◆利用者の本当の「気持ち」を、目に見える形に
すくすくスクールを利用している(していた)皆さんに、
お願いです。
・「すくすくスクール(学童クラブ)」は、
わが子を預けていて良いと思える、
安心して仕事を続けられる場所ですか?
・利用していて、不安なこと、疑問に思うことはありますか?
・こんなことがあった、こんな対応があったなど
具体的事例があれば、教えてください。
江戸川区に就労証明を提出している「学童クラブ登録」の方はもちろん、「すくすく登録(一般登録)」で利用されている方でも、もちろん構いません。
またお立場上、大変難しいとは思いますが、すくすくスクールで働いておられるスタッフの方からのご意見も、お待ちしております。
お声は、下記までメールでお送りください。
gakudo.hoshoku@gmail.com
取りまとめの関係上、できれば2013年10/24(木)までにお願いします。
もちろんその後でも、大歓迎です。
ただ、「学童登録か、一般(すくすく)登録」か、「現在の利用者か、過去の利用者か」など、お書き添えいただけると、助かります。
メールの内容を当会外部に出す際は、個人や学校の特定は絶対にできないようにいたします。
どうか、よろしくお願いいたします。
これは、江戸川区が主体で行うアンケートでは決して表面化することのない、利用者の生の声です。いただいたお声は何らかの形でまとめ、江戸川区に届けたい、そう考えています。
当会の人間は、皆さんと同じ、いち保護者です。すくすくスクールに対して不安や疑問を抱いたまま、わが子を預け、仕事をしています。これからの江戸川区の子ども達が、心身ともに満たされ安心して放課後の生活を過ごせるよう、そして親たちが安心して働けるよう、できることを見つけて、少しづつでも前に進みたいと思っています。
◆私達の抱いた不安や疑問、実際の事例とは。
23区内の学童保育で「おやつ」を出さない区は、江戸川区だけです。
またすくすくスクール(学童クラブ)の職員について、江戸川区は過去10年間、「常勤指導員(正規職員)」を、新規に採用していません。新規採用は、非常勤職員、臨時職員のみです。
あくまで一例ですが、例えばこれらの事象は、現在のすくすくスクール(学童クラブ)の「質」に、どういう影響を与えているのでしょうか?
こんな保護者の声がありました。
「学童クラブの連絡ノートが、“一年生のみ”となってしまった」
「今年から夏休みの“お昼寝タイム”がなくなった」
「すくすくスクールの部屋で、日常的にアニメなどをテレビで流していると聞いた」
「テレビの音が気になって宿題がやりづらいと、子どもが言っている」
「勉強がしたいのに、狭いすくすくホームルームに子どもたちが多く、うるさくて勉強できないと学童を辞めた子が何人かいる」
そして、「すくすくスクール学童クラブに預けては、安心して働けない」と、仕事を辞める、正社員から短時間のパートに転職する、また民間学童保育に子どもを移す(※)……そういった母親も、決して少なくない数で存在していることがわかりました。
※民間学童保育の利用料金は月~金で月額5~6万円のため、経済状況により利用できる人は限られます。
疑問に感じた当会では、学童保育に関して記載している「児童福祉法」をひも解いてみました。
すると、児童福祉法6条の3第2項で「放課後児童健全育成事業(注:学童保育のことです)とは、小学校に就学している児童であって、その保護者が労働等により昼間家庭にいないものに、授業の終了後に児童更生施設等を利用して適切な遊び及び生活の場を与えて、その健全な育成を図る事業をいう。」と書かれています。
なるほど。確かにその通りです。だから学童「保育」なのです。
しかしいま、すくすくスクールの学童クラブの子どもたちには、「食」はもちろんのこと、学習、休息などの、「生活の場」としての環境が用意されていないのではないか……?
そんな疑問をいま、私達は抱いているのです。
◆「学童だからと言って配慮は不要。
あくまで”分け隔てなく”」 という江戸川区
実は、10月に開催された江戸川区・教育委員会で、区内のある保護者が、陳情書という形を通して、「すくすくスクール学童クラブの子どもたちには、食、勉強、休息などの”生活の場”が用意されていないのではないか?」という問いかけを行いました。
これに対して、江戸川区・教育委員会のトップである「教育長」が、次のように回答しました。
「……(この保護者は)学童クラブとすくすくは別でしょ? だから配慮してほしい」ということが言いたいのだろうが、『生活の場』というのは、私達はすくすくを立ち上げた時点で、今までの学童クラブとは違って、共に過ごす。遊びもあれば生活もある。そこで過ごすということ、一般の子と分け隔てなく過ごすことで、学童クラブ登録の子どもの生活圏がひろがった。地域の方と関わって生活体験ができるということ。『学童クラブの子どもなんだから(配慮が必要でしょ?)』という視点にたった陳情は、受け入れがたい」
※傍聴者のメモと記憶による書き起こしのため、一言一句正確ではありません。
さらに、こうも言っています。
「……すくすくスクールにおける学童保育のありかたについては、『全体として現場では問題ないので、今のかたちでよいのではないか』」と。
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すくすくスクール(学童クラブ)利用者の皆様のご意見を、お待ちしております。
どうかよろしくお願いいたします。
ただ、もしかすると、これもまた今までのように、徒労に終わるかもしれません。
それでも、一人一人の「思い」を集めて形にできれば、現状を変えることができるかもしれないと、望みを持っています。
先日のアエラの記事においても、おやつのことを主として取り上げつつも、記事の最後には学童保育の「質」を問いかける一文でペンを置いています。
「『……預けていてよかったと思える環境だったから、仕事も続けられた』
(江東区に住む44歳の自営業女性)
おやつをきっかけに、子ども目線で考えた居場所づくりを。
大人の行動力、そして知恵と工夫が求められている。」
お声は、下記までメールでお送りください。
gakudo.hoshoku@gmail.com
ご協力、どうか、どうかよろしくお願いいたします!