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すべての始まり、2013年1月23日付・江戸川区教育委員会からの「補食廃止通知」実物は 【 ここ 】 にあります。【 この記事 】 とあわせて一読がおススメです★

(3/14追加)公開質問状(請願書)に対する、江戸川区教育委員会の回答は【ここ】【この記事】とあわせてご一読を。

2014年2月9日

【さよならオニギリ君】 おやつ陳情審議に、ついに結論出る! 学童補食継続を願う会、活動終了! そして「えどがわ学童保育フォーラム」へ・・・

お久しぶりです。
さて、本ブログのおそらく(?)最後の記事になるであろう、更新です。

先週の金曜、2/5に、江戸川区議会文教委員会において、当会が昨年2月に提出した「すくすくスクール・学童登録児童に対する補食提供の継続を求める陳情書」について、1年間にもわたる「継続審議」を経て、結論が出されました。

結論は、不採択でした。まさに予想通りでは、あります。

ここで、この1年間の経緯を、簡単に振り返ってみましょう。長くなりますが、お付き合いください。

「江戸川区・学童補食の継続を願う会」は、2013年2月5日、複数の保護者らによって立ち上がりました。

すくすくスクール学童に通うわが子らが、「すくすくスクールにおける補食の廃止について」という手紙を持ち帰ってきたことが、そのきっかけでした。その手紙は ここ です。この一年で、非常に多くの方にダウンロードしてご覧いただいております。

江戸川区教育委員会が提示した「当時の」補食廃止理由は、
①おやつを食べると子どもが太る
②余ったおやつを捨てるのはもったいない
③アレルギーの子がいるから対応が難しい
…ということでした。

また、「補食を希望する児童は全体の5.6%に減少している」というのも、廃止理由に挙げていました。

ちなみにこの後、2ヶ月ほど経ちますと、①~③の理由は影も形も出てこなくなりました(笑。
代わりに「分け隔てなく」という、例の有名なフレーズに置き換わっていきます。

さて、これらの理由に大いに疑問を抱いた複数の保護者が集まり、「補食廃止の撤回」を求める陳情を、2013年2月16日、江戸川区議会に提出しました。最終的に、全国から寄せられた5,000筆近い署名も添えました。その節は、ご協力本当にありがとうございました。

そして3月13日の江戸川区議会・文教委員会にて、最初の審議が行なわれました。

そのときの模様は【3/13文教委員会傍聴レポ★「本陳情は”継続”扱いとする」】に詳細があります。すなわちその場で結論は出ず、「継続」扱いになったわけです。

この時、「継続して欲しいのは、審議じゃなくて、“お・や・つ”!」というツッコミのコメントを、江戸川区内のみならず全国からいただきました。

結論のないまま4月を向かえ、江戸川区の学童保育から「補食」が消えました。

保育園を出たばかりの子どもたちが、4/1から突然、お弁当の後は夕方6時以降まで「水道の水しか飲めない」状況に、たくさんの働く親たちから悲鳴が上がりましたが、江戸川区教育推進課は「子どもたちは問題なくなじんでいる」と、繰り返すのみでした。

さて4月からは文教委員の顔ぶれも新しくなり、およそ月に1回の審議が続いていました。さらに「区議会定例会」「決算特別委員会」でも、補食廃止の是非について、各議員の方々の質問と教育推進課の答弁が繰り返されました。

この辺は、ブログで紹介し切れませんでしたが、審議の流れで問題点がよくわかります。ぜひ、江戸川区議会サイト「会議録検索」にて、「補食」(“捕食”じゃありません)で、検索なさってみてください。各議員さんの、色々な発言が読めます。



さて、この期間の議論で、取り上げられた論点のいくつかをご紹介します。

◆論点① 3つの廃止理由に、個別の回答は「あ・く・ま・で・も」無かった

文教委員の新村いく子議員より、陳情者の質問(先の3理由…①補食で太る、②食材廃棄、③アレルギー)に対して、江戸川区は個別に回答したのか?と質問がありました。

それに対して教育推進課は、「1点ずつのそれぞれの確認ということではなくて、区の考え方としてのものを御回答したということでございます」と回答しています。

これは、2月の陳情書と同時に、江戸川区長宛に提出した「公開質問状(請願書)」に対する回答と姿勢は同様でした。
その時の江戸川区長の回答はこちらです。

新村いく子議員は、①~③の理由について、「個別の明確な回答を次回用意して欲しい」と要請しましたが、その後、出されることはありませんでした。


◆「補食を希望する子は5.6%」という数字の謎 → 実は、「34.8%」だった。

「補食希望者は5.6%」という数字の根拠については、当初から疑問の声が多かったのですが、補食が廃止前の3月までのうちには、教育推進課から回答はありませんでした。

補食が廃止された後の4月になってから、教育推進課から、「その数字は分母に“一般登録児童数”を持ってきていた数字である」と公表されました。

ニーズの違う児童をひとくくりにして、割合を少なく見せていたということです。

2013年2/1現在で、補食希望者は1,343名いたそうで、学童登録児童の割合から、実は「34.8%」だったわけです。

これは決して少ないとは言えません。この時、伊藤照子議員より、「(おやつ不要の一般登録児童も含めた)全体に対する比率で出してきた意味がわからない」と質問がありましたが、浅野潤一教育長より、「それでも3分の2の食べない子の中で、3分の1の食べる子がいるのは、区の管理上やっぱり好ましくない」と発言があり、「分け隔てなく」への強いこだわりを強調しました。

その他、指導員の数に対する質問(江戸川区ではもう10年以上、すくすくスクールで正規職員を採用していない)麦茶に関する質問(それまで出されていた「麦茶」の提供も、すくすくスクールでは禁止された。11月の文教委員会では教育推進課課長より「提供は水道水」のみであると明言あり)などが続きました。

これに対して、「子どもに空腹をがまんさせるのは虐待ではないか」とまで、議員から指摘もありました。


◆江戸川区教育委員会に対する陳情の動き

さて、この文教委員会での陳情審議と平行して、6月ごろから、当会以外の江戸川区内複数の保護者らから、今度は「江戸川区教育委員会」に対しても、補食に関する数々の陳情が出され続けていたのです。

2013年、保護者から江戸川区教育委員会に出された陳情

陳情第4号 夏季休暇中における学童登録児の補食持参についての陳情
・陳情第5号 夏季休暇中における学童登録児の補食持参についての陳情(4号と同内容ですが別)
・陳情第6号 すくすくスクールの子どもたちに補食についてアンケートを求める陳情
・陳情第8号 平成26年度からの補食事業再開をお願いする陳情
・陳情第9号 すくすくスクールにおける補食廃止について意見交換会の開催を求める陳情
・陳情第10号 食育の観点よりすくすくスクールにおいて補食再開を求める陳情


まさに江戸川区に住んでいる働いている親たちの、悲鳴にも似た思いが感じられます。

それに対して江戸川区教育委員会がどのような結論を出したかは、それぞれ会議録もありますので、あわせてご覧ください。(もっとも会議録は、開催から3~4ヶ月しないとUPされませんが)


◆保護者たちによる自主運営の模索と否決

平行して、廃止された4月以降、自主運営を求める保護者らの動きも活発化しました。

2~3月ごろ、江戸川区から、「補食の“受託”を廃止しただけ。保護者による自主運営なら認めてもいい」的なニュアンスがあったため、長い夏休みを前にして、複数の小学校保護者から、次々と教育推進課に対して、「自主運営」のプランが持ち込まれました。

ある小学校では、そこの学童登録児童家庭の90%以上の署名が集まり、自主運営のプランと共に教育推進課に持ち込んだそうです。保護者らが署名を集めた背景には、「数名で声を上げていても、江戸川区からは、“(うるさい)一部の親が騒いでいるにすぎない”と言われてしまったから」だそうです。モンペ扱いですね。

しかしこの自主運営案も却下されたとのこと。

この保護者らは、学校に対しても、すくすくスクール外でおやつを食べる場所(空き教室など)を貸してもらえないか? と交渉したそうですが、しかし学校長からは、「江戸川区が認めていない活動を、学校が認めるわけにいかない」と否定されたそうです。「学校を使いたければ、まず江戸川区の許可を得よ」と。

複数の保護者に提示された「否定理由」から判断すると、江戸川区が認める「おやつ自主運営」とは、「いったんすくすくスクールを出て下校し、どこか別の場所で、誰かほかの人間(すくすくスクール職員以外)が子どもたちに食べさせる」という形のみであることがわかりました。

しかし教育推進課はじめ江戸川区の職員さんたちもそうだと思いますが、9時~5時で仕事をしている人間が、3時や4時に職場を離れて、子どもたちにおやつをあげに行くのは、不可能です。だって働いているのですから。でも江戸川区は、「おやつを食べさせたければ、そうしなさい」と言っています。まさに「小一の壁」いや高し江戸川区。

こうして数々の自主運営案も、すべて頓挫しました。

さて長くなりましたが、以上が昨年4月~12月ごろの主な流れです(実はほかにも色々あるのですが…)

そしていよいよ、先週金曜日、2/5の文教委員会で結審を迎えました。

江戸川区議会・文教委員の皆さん(定数9名)
 田島進議員(委員長)
 所隆宏議員(副委員長)
 大橋美枝子議員
 江副亮一議員
 新村井玖子議員
 早川和江議員
 田中淳子議員
 須賀精二議員

では、傍聴に行った方のレポートを紹介いたします。

陳情は、江副さん、大橋さん、新村さんが採択、他の議員が不採択で、予想通りの結果でした。

不採択の方々の理由は下記のとおりです。

早川和江議員 【不採択】
補食希望者は減っている。予算決定後である。補食がなくても現場の混乱は特にない

田中淳子議員【不採択】
推移見守り、会派で議論した。栄養の問題など大きな問題はない

その他、理由の発言はありませんでしたが、不採択の方は下記のとおりです。
田島進議員(委員長)【不採択】
所隆宏議員(副委員長)【不採択】
須賀精二議員【不採択】

採択の方々の理由は、下記のとおりです。

江副亮一議員 【採択】
補食希望者が減った理由は、過去に江戸川区が推し進めてきた“補食は5時すぎに”という、時間設定が背景。必要な家庭、求めている人の存在を考慮すべき。大人でも3時におやつをとる。必要な家庭には提供事業としてあり方そのものを検討すべきである

大橋美枝子議員 【採択】
おやつは子どもの成長にとって必要。当初の補食廃止の、江戸川区の理由づけ(カロリー過剰摂取・廃棄食材・アレルギー対応など)と、陳情者から出された公開質問状への回答の乖離(食べること食べない子供の部屋を分けるのが“忍びない”状況云々)。また12月の児童部会における報告で、学童クラブに求める機能(安心して就労できる環境)として、学童登録児童の65.9%を占める1、2年生に特に必要である。補食復活を求める

新村井玖子議員 【採択】
児童部会報告にみられる国の姿勢(放課後児童クラブは適切な遊びおよび生活の場を与えて)に対して、江戸川区はどうするのか、ガイドラインに示すべきである。栄養・活力面で必要なおやつの環境を整え提供すべき。3月まで保育園でお昼寝・おやつを確保していた子どもが、新1年生になった途端に、給食以降、水だけで過ごすのことは、人権の観点から補食を取らせていく姿勢をとるべき。小1ギャップをふやしている

以上、多数決で「不採択」でした。

とのことです。

私たちの願いは、江戸川区議会には、届かなかったというわけです(ところで江戸川区では、来年、区議会議員選挙があります)

以上で、報告は終了です。長文へのお付き合い、ありがとうございました。

そしてこのたびの補食継続の陳情不採択に伴い、「江戸川区・学童補食の継続を願う会」は、発展的解消といたします。

長い間のお付き合い、本当にありがとうございました。
たくさんの方にこのブログを見ていただけて、署名にご協力いただけて、感謝の言葉もありません。

なおこのブログは活動の記録として、半永久的に残しておきます(アクセスもまだまだコンスタントに高い数値です)

いつか江戸川区の子どもたちが学校が終わった後、「一般」も「学童」も関係なく、すくすくスクールで一緒に笑いながらおやつを食べ、遊び、学び、指導員やプレイングパートナーの方々と心通わせ、心身ともに豊かな放課後を過ごせる時代が来たとき、「あんなこともあったよね」と、振り返れたらいいですね。

さて、これからは、こちらです!
↓ ↓ ↓ 

えどがわ学童保育フォーラム



ブログ NEW!







昨年よりこの件でつながった多くの保護者らが、「えどがわ学童保育フォーラム」を立ち上げ、つながりました。これからはこちらで、「声」を上げ続けて行きます。

どうぞご支援の程、よろしくお願いします。


★おまけ1
クイズですw。これは何でしょう?


答え:「塩」

補食がなくなって初めての夏休みとなる、2013年7月、江戸川区より各小学校のすくすくスクールに配布された「塩」です。KALDIで198円くらいの、豪州産の安いやつ…

2013年の夏からは、すくすくスクールでは「麦茶」も、子どもたちには提供禁止になりました(多くのすくすくスクールには立派な冷蔵庫があるのですが)

麦茶代は、全73校で年間12万円なのだそうですが(文教委員会発言より)、それも「削減」でしょうか?

よって子どもたちが口にできるのは「水道水だけ」なのですが(あと家庭から持参した水筒とか)、夏休み中、熱中症で子どもが倒れでもしたら大変!…ということで、江戸川区から、各校のすくすくスクール「塩」が配布されたそうです。

画像は、あるお母さんからの投稿です。「わが子は夏休み、9時から18時までのすくすくスクールの中で、お弁当以外は、水道水と塩をなめています」と。

…塩ですか。

まあ江戸川区の考えは、間違っちゃいないですね。最低限の生命維持には、塩と水ですから。


★おまけ2
じゃーん。江戸川区役所内です。充実の「お・や・つ」!
 ↓ 
週に一度、区内の福祉作業所の方々が作ったドーナツやクッキーの販売が、区役所食堂であります。手作りおやつ、いいですねえ。子どもたちにも食べさせてあげたいですね。



こちらは、自動販売機。市販のお菓子は、ここでいつでも気軽に買うことができます。
子どもが大好き「ソースかつ」もあります! すてき。


ドリンクの自動販売機も、ものすごくたくさんありますね…
お茶、コーヒー、紅茶、ジュース、スポーツドリンク、コンポタ、乳飲料etc。

…江戸川区役所では、「水道水」は、皆さん飲まないのでしょうか?

やっぱり、「おやつ」は子どもも大人も、「大好き!」ってことですね。
では、ありがとうございました!

2013年12月4日

【お知らせ】江戸川区HPが12/6(金)にリニューアル予定につき、リンク切れが予想されます。

いつもありがとうございます。

江戸川区のHPにて、11/29日付で「リニューアルのお知らせ」が出されております。
↓ ↓
https://www.city.edogawa.tokyo.jp/oshirase/koushiki_hp/index.html



当ブログは、江戸川区のホームページにたくさんのリンクを貼っておリますので、リニューアルに伴い、多くのリンク切れが予想されます。

実は、これまでも既に「消えた記事」は、ありました。

例えば、本ブログ3月13日付の下記記事

◆江戸川区教育委員会は語る 「大人の利害を取り除き、子どもたちのために」と。

でご紹介している、

「第一法規 生涯学習情報ファイルに掲載されたすくすくスクールの事業紹介」

というPDFデータは、おそらく今年の夏~秋ごろにさりげなく消えており、現在は見ることができなくなっています。



「すくすくスクールの根本にあるものは、大人の利害を取り除き、“子どもたちのために” という一点で考えることである」

と、書いてあります。

これは当時の江戸川区教育委員会の方の、発言です。
おそらくすくすくスクール開始当時(2003年ごろ)の…最初の理念では、確かにそうだったのでしょう。

しかし残念ながら、この文書はいつのまにか江戸川区のホームページから消えていました。

※当会で保管しておりますので、お読みになりたい方は こちら からダウンロードできます。

このように当ブログでご紹介してはいても、12/6の江戸川区ホームページリニューアル後はリンク先の情報が消える、あるいはURLが変わる可能性もあります。

これに対し、当会では次のように対応いたします。

①URLが変更するものは、リンクを順次貼りなおします。
 しばらくお時間をいただきますが、順次作業していきます。

②リンク先の情報が消える…すなわち、江戸川区はホームページでその情報を見られるようにしなくなった場合…当会であらかじめ保存しておいた画像などを、その代わりとして貼っておきます。PDFの場合は、なるべくダウンロードできるようにいたします。
こちらも順次作業していきます。

以上、ご了承いただきますよう、お願い申し上げます。



2013年11月24日

【拡散希望】私たちは、「えどがわ学童保育フォーラム」に生まれ変わります。


いつもありがとうございます。
2013年2月にこの活動を開始して以来、多くの方のご支援をいただきながら、なんとかやってこられました。

自分自身の仕事と、日々の家事と、育児と、その他諸々ののしかかる難題に、「もうやめよう」と思った時も何度もあります。5000筆の「補食継続」を願う署名あつめ、陳情、「おやつ自主運営」の模索、夏休みのこと…すべてが「分け隔てなく」の言葉の元に、徒労に終わりました。

そもそも「学童保育」って、こうじゃなかったはず。少なくとも、江戸川区など「以外の」、日本中の「学童クラブ」には、「保育」があります。そこは子ども達の、「生活の場」になっています。

だって「学度保育」ですから。

江戸川区も、2003年に「すくすくスクール」に学童クラブが吸収・一体化されるとき、「学童クラブの機能は残します」「もっと充実します!」と、江戸川区の担当課も、「広報えどがわ」でも、謳っていました。
広報えどがわ 2003年(H15) 9/20号
 ↓Close Up




「一層充実する」はずが、なぜ、おやつもない状態にまでなったのか?

今の江戸川区のすくすくスクールの「学童登録」とは、月額4000円で、
①すくすくスクールに来たかどうかの出欠確認がある。
②17時以降、18時までそこに居られる
③ランドセル置き場の棚に自分の名前のシールなどが貼ってある

…ほぼ、ただこれだけになりました。

今年の4月から、江戸川区のすくすくスクール学童に通う一年生と保護者の方は、これが「学童」だと思っているでしょう。そういう方が、例えばお隣の県の「学童クラブ」を覗いてみたら、その違いに驚かれるかもしれません。

私たち「江戸川区・学童補食の継続を願う会」が、この8ヶ月間取り組んできた「補食(おやつ)」というのは、単に、過去10年間で江戸川区の「学童クラブ」から消えていった多くのものの、そしてこれから消えようとしている何かの、氷山の一角なのかもしれません。

学童クラブとは、下校した子どもたちが「ただいま」と言える場所。親が仕事から帰るまで、安心して過ごせる「生活の場」だったはず。それが風前の灯となっているいま、江戸川区の「学童保育」は、これからどこへ向かい、どう変わろうとしているのか。

この8ヶ月間で、そう考える江戸川区内の保護者達が、この「江戸川区・学童補食の継続を願う会」の周りに、多数集まり、つながってきました。全員が、「すくすくスクール(学童クラブ)」に子どもを預けて働いている、あるいはかつて預けていた、江戸川区に住む普通のお父さんお母さんたちです。

そして話し合いを続けた結果、これは「おやつ」だけの話じゃない、との結論に至り、声を上げ続けるために、「まとまろう」「つながろう」と決めました。

名前を、「えどがわ学童保育フォーラム」としました。

情報発信の場として、ホームページも立ち上げました。


 えどがわ学童保育フォーラムホームページ

まだ記事のないコンテンツもあったりして、お見苦しいのですが、どうかご容赦ください。


またTwitter、あと今回はFacebookも使っていきます。

Twitterは@EdogawaGakudo を、ぜひフォローしてください。


こちらはFacebook。




先日のアエラ掲載、そして昨日の朝日新聞掲載と、江戸川区の「おやつ問題」、消されたように見えて、まだまだ消えていません。

私たちは江戸川区に住み、仕事をつづけながら安心して子育てしたいと思っています。またすべての子どもたちが、学校が終了して家に帰るまでの時間を、心身ともに豊かに実り多く過ごせるように、共に考え行動していきたいと考えています。

どうぞ今後とも皆様のご支援、よろしくお願いいたします。

なおこちら「江戸川区・学童補食の継続を願う会」は、本ブログ内掲載記事の続報、おやつ関連に限られて来ますが、更新は継続してきます。時々覗きに来てください。
引き続きご愛顧、よろしくお願いいたします。



2013年11月23日

【速報】本日の朝日新聞:朝刊★江戸川区の「学童おやつ問題」掲載!

本日、朝日新聞朝刊に、「子どもの居場所どうする」として、「放課後教室と学童の一体化」がもたらすメリットとデメリットを投げかける記事が掲載されました。



利用者からは、「低学年の子どもがすくすくスクールルに通う会社員の母」の声として、「(略)午後6時過ぎまで何も食べないでいるのは、幼い子にとって苦痛」「放課後の居場所が家庭的でなくなってしまうのではと不安」と懸念の声が取り上げられています。

一方、江戸川区教育推進課からは、例の…「“分け隔てなく”するためであって、(補食廃止は)予算削減の目的ではない」との声が紹介されています。

ぜひ、朝日新聞をご一読ください。

なお、「江戸川区・学童補食の継続を願う会」は、今、おやつ問題にとどまらない情報発信と活動の母体となるべく、リニューアルの準備中です。すみませんが、もう少し、お待ちください。

★はじめての方へ★
本日の朝日新聞をご覧になって、検索などでこちらのブログに来られた方は、ぜひ一番最初の記事からご覧ください。

↓ こちらです。

時系列に読んでいただければ、二転三転、紆余曲折の、江戸川区のおやつ問題、わかります。またブログでご報告できてない、できないことも実はたくさんあるのですが、精いっぱい、伝える努力をしておリます。どうぞよろしくお願いいたします。

★Twitterでも、ぜひフォローしてください。
よろしくお願いいたします。!

2013年10月24日

★引き続き拡散希望★「すくすくスクール」利用者の声募集!……いま、江戸川区の学童保育のこれからが決まりつつある時だからこそ。


早速、メールをお寄せいただいた保護者のみなさま、ありがとうございました。

前回の記事をこう書いてから、開所時間のこと、病時の対応、水分補給の対応、先日の台風26号の時のような災害時の対応のことなど、様々な実際の「事例」を数多くお送りいただいております。

前回の記事
10/18 ★拡散希望・お声募集!★
江戸川区すくすくスクール(学童クラブ)保護者の方へ
【すくすくスクール(学童クラブ)に預けて、あなたは安心して働けていますか?】


さて、こうしてすくすくスクール学童クラブに不安や疑問を抱く利用者が確実に存在する中、先日の記事でも「児童福祉法」を引き合いに出しましたが、やはり行政に声を届けるにあたって法律的な知識は必須では……ということで、私たちも各方面の情報を取集し勉強して参りました。

そこでひとつわかったのは、日本の国家レベルの政治の流れの中で、学童保育の「質」について利用者が声を発するのに、いまが絶妙のタイミングではないか、ということです。

実は昨年夏、国会では学童保育関連の法律が整備されました。それにより、各自治体はこれからあと1年半の間に、学童の先生の質や量、保育室の広さなどについて、国の基準に基づいて条例を定めるように、国から求められているのだそうです。

なるほどです。江戸川区も、もちろんこれを行っていくことになるはずです。

でも、江戸川区のどこの部署が? 

もちろん、今回の補食廃止の決定に中心的役割を果たした「教育推進課」です。

この部署が、学童に関する条例の「素案」を策定することになっているそうです。

そして来年、2014年2月以降に、教育推進課が策定する「素案」が、江戸川区の「こども子育て会議」の承認を受ける形になっているようです。なお「こども子育て会議」の構成メンバーの中に、学童保護者の代表に当たる方は入っていません。

教育推進課の上位機関となる「江戸川区・教育委員会」は、現在、「(すくすくスクール)学童クラブの運営は、現状で保護者からのクレームはほとんどなく、補食廃止も含めて、区の方針通りで問題ない」と、繰り返し発言していることは、すでにお伝えした通りです。

「補食廃止」の件でもわかるように、一度行政が決めてしまったものをひっくり返すのは、大変な労力が伴います。

ですので、学童クラブの子どもたちの環境をこれから少しでも良くするためには、現在の保護者、そしてかつて利用していた保護者が、「学童はこうあって欲しい」という要望の声を上げていくことがどうしても必要です。

そうでないと、今度の江戸川区の学童クラブは、「今のまま」もしくは「今以下」と、なるでしょう。

前回の記事で、10/24が締切と記載したしましたが、特に締切は設けないことにいたしました。要望の重複があっても、それはそれだけ必要度が高いということで、それがわかるような届け方をさせていただきます。

学童は、働く保護者を支える場所です。子どもを育てながら、安心して仕事を続けられる場所のはずです。お腹をすかせ、水道水だけを飲んで親の帰りを待つ場所では、無かったはずです。

どうぞ、今のすくすくスクール学童でこんなことがあった、こう思っているなどの事例やご意見、さらに、「これからの江戸川区の学童保育は、こうあって欲しい」というお気持ちを、メールでどしどしお寄せください。

下記までメールでお送りください。
gakudo.hoshoku@gmail.com

よろしくお願いいたします!

2013年10月18日

★拡散希望・お声募集!★江戸川区すくすくスクール(学童クラブ)保護者の方へ 【すくすくスクール(学童クラブ)に預けて、あなたは安心して働けていますか?】


本年4月より、江戸川区のすくすくスクール学童クラブで「補食」が提供されなくなって以来、当会では様々な保護者の声を耳にしてきました。

特に4月から8月ごろにかけては、「なんとか子どもたちに、アメ玉一個、おせんべい一枚でも、口にさせてやりたい!」との思いで、区内各地の複数の学童クラブ保護者が、各々のすくすくスクールにおいて、「おやつ自主運営」のための様々な働きかけを江戸川区に対して行ってきました。

しかし江戸川区はそのすべてを「分け隔てなく」等の理由により認めず、いま現在、保護者による「おやつ自主運営」は一切実現していません。

そして、その中でつながった多くの保護者達の中に、いま、挙がっている声があります。

それは「これは、単に“おやつ”だけの問題ではないのかもしれない」という声……
江戸川区の「すくすくスクール(学童クラブ)」そのものへの不安、疑問の声です。

これは、ここにこうして集まった私たちだけが、たまたま抱いている不安や疑問なのだろうか?
そんな思いを、この件に関わって以来、ずっと持ち続けています。

そこで当会では、実際の利用者(過去の利用者を含む)の方々の、すくすくスクール(学童クラブ)に対する生のご意見、お考えを、教えていたけないだろうかと考えました。


◆利用者の本当の「気持ち」を、目に見える形に

すくすくスクールを利用している(していた)皆さんに、
お願いです。

・「すくすくスクール(学童クラブ)」は、
 わが子を預けていて良いと思える、
 安心して仕事を続けられる場所ですか?

・利用していて、不安なこと、疑問に思うことはありますか?

・こんなことがあった、こんな対応があったなど
 具体的事例があれば、教えてください。 


江戸川区に就労証明を提出している「学童クラブ登録」の方はもちろん、「すくすく登録(一般登録)」で利用されている方でも、もちろん構いません。

またお立場上、大変難しいとは思いますが、すくすくスクールで働いておられるスタッフの方からのご意見も、お待ちしております。

お声は、下記までメールでお送りください。
gakudo.hoshoku@gmail.com

取りまとめの関係上、できれば2013年10/24(木)までにお願いします。
もちろんその後でも、大歓迎です。

ご意見はもちろん、匿名で構いません。
ただ、「学童登録か、一般(すくすく)登録」か、「現在の利用者か、過去の利用者か」など、お書き添えいただけると、助かります。

メールの内容を当会外部に出す際は、個人や学校の特定は絶対にできないようにいたします。

どうか、よろしくお願いいたします。

これは、江戸川区が主体で行うアンケートでは決して表面化することのない、利用者の生の声です。いただいたお声は何らかの形でまとめ、江戸川区に届けたい、そう考えています。

当会の人間は、皆さんと同じ、いち保護者です。すくすくスクールに対して不安や疑問を抱いたまま、わが子を預け、仕事をしています。これからの江戸川区の子ども達が、心身ともに満たされ安心して放課後の生活を過ごせるよう、そして親たちが安心して働けるよう、できることを見つけて、少しづつでも前に進みたいと思っています。


◆私達の抱いた不安や疑問、実際の事例とは。

23区内の学童保育で「おやつ」を出さない区は、江戸川区だけです。

またすくすくスクール(学童クラブ)の職員について、江戸川区は過去10年間、「常勤指導員(正規職員)」を、新規に採用していません。新規採用は、非常勤職員、臨時職員のみです。

あくまで一例ですが、例えばこれらの事象は、現在のすくすくスクール(学童クラブ)の「」に、どういう影響を与えているのでしょうか?

こんな保護者の声がありました。

「学童クラブの連絡ノートが、“一年生のみ”となってしまった」
「今年から夏休みの“お昼寝タイム”がなくなった」
「すくすくスクールの部屋で、日常的にアニメなどをテレビで流していると聞いた」
「テレビの音が気になって宿題がやりづらいと、子どもが言っている」
「勉強がしたいのに、狭いすくすくホームルームに子どもたちが多く、うるさくて勉強できないと学童を辞めた子が何人かいる」

そして、「すくすくスクール学童クラブに預けては、安心して働けない」と、仕事を辞める、正社員から短時間のパートに転職する、また民間学童保育に子どもを移す(※)……そういった母親も、決して少なくない数で存在していることがわかりました。
※民間学童保育の利用料金は月~金で月額5~6万円のため、経済状況により利用できる人は限られます。

疑問に感じた当会では、学童保育に関して記載している「児童福祉法」をひも解いてみました。

すると、児童福祉法6条の3第2項で「放課後児童健全育成事業(注:学童保育のことです)とは、小学校に就学している児童であって、その保護者が労働等により昼間家庭にいないものに、授業の終了後に児童更生施設等を利用して適切な遊び及び生活の場を与えて、その健全な育成を図る事業をいう。」と書かれています。

なるほど。確かにその通りです。だから学童「保育」なのです。

しかしいま、すくすくスクールの学童クラブの子どもたちには、「食」はもちろんのこと、学習、休息などの、「生活の場」としての環境が用意されていないのではないか……? 

そんな疑問をいま、私達は抱いているのです。


「学童だからと言って配慮は不要。
  あくまで”分け隔てなく”」 という江戸川区

実は、10月に開催された江戸川区・教育委員会で、区内のある保護者が、陳情書という形を通して、「すくすくスクール学童クラブの子どもたちには、食、勉強、休息などの”生活の場”が用意されていないのではないか?」という問いかけを行いました。

これに対して、江戸川区・教育委員会のトップである「教育長」が、次のように回答しました。

「……(この保護者は)学童クラブとすくすくは別でしょ? だから配慮してほしい」ということが言いたいのだろうが、『生活の場』というのは、私達はすくすくを立ち上げた時点で、今までの学童クラブとは違って、共に過ごす。遊びもあれば生活もある。そこで過ごすということ、一般の子と分け隔てなく過ごすことで、学童クラブ登録の子どもの生活圏がひろがった。地域の方と関わって生活体験ができるということ。『学童クラブの子どもなんだから(配慮が必要でしょ?)』という視点にたった陳情は、受け入れがたい」
※傍聴者のメモと記憶による書き起こしのため、一言一句正確ではありません。

さらに、こうも言っています。
「……すくすくスクールにおける学童保育のありかたについては、『全体として現場では問題ないので、今のかたちでよいのではないか』」と。

-- * --  -- * -- -- * -- 

お読みいただき、ありがとうございました。

すくすくスクール(学童クラブ)利用者の皆様のご意見を、お待ちしております。
どうかよろしくお願いいたします。

ただ、もしかすると、これもまた今までのように、徒労に終わるかもしれません。
それでも、一人一人の「思い」を集めて形にできれば、現状を変えることができるかもしれないと、望みを持っています。

先日のアエラの記事においても、おやつのことを主として取り上げつつも、記事の最後には学童保育の「質」を問いかける一文でペンを置いています。

「『……預けていてよかったと思える環境だったから、仕事も続けられた』
(江東区に住む44歳の自営業女性)
 おやつをきっかけに、子ども目線で考えた居場所づくりを。
 大人の行動力、そして知恵と工夫が求められている。」

お声は、下記までメールでお送りください。
gakudo.hoshoku@gmail.com
ご協力、どうか、どうかよろしくお願いいたします!

2013年10月16日

「おやつはナシ」でいいの? 「AERA」10/21号に、江戸川区の学童補食廃止の記事掲載

お久しぶりです。
色々お伝えしたい新しい情報があるのですが、今日はまずこちらから。

ご覧になった方も多いと思いますが、10/12(土)発売、朝日新聞社刊「AERA」10/21号に、江戸川区の学童保育のおやつ廃止の件が記事として掲載されました。



「子どもに罰を与えられているよう――。おなかが空いた子どもに我慢をさせる日々に、働く親たちが悲鳴を上げている。」

記事はこういった書き出しで始まります。そして、

① 適量は栄養面でも大切
② 2事業一体運営が背景
③ ”分け隔て”ない対応
④ 子ども目線で居場所を

以上の4項目で、他区の事例も交えながら、江戸川区の学童保育が抱える問題を浮き彫りにしています。

①「適量は栄養面でも大切」では、この問題のそもそもの発端である「教育委員会からの、予告も説明会もナシの突然の補食廃止通知」に書かれていた廃止理由……「補食で子どもが肥満になっている」に対して、おそらく書かれたものでしょう。
※以下リンクは、当ブログ内関連記事へのリンクです。

その補食廃止通知とは下記、
 2013年2月5日  はじまりは…教育委員会からのお手紙

そして、「補食で肥満」を江戸川区が主張し始まったのは、どうやら昨年秋ごろからでした。
 2013年2月23日 見てみよう!議事録★廃止理由「補食で肥満」はここから?

こうして、「補食で肥満」を主張する江戸川区に対して、当会は「公開質問状(請願書)」にて、その理由を問合せました
 2013年2月22日 【質問先行公開①】お願い答えてえらいひと!「補食必要性の判断基準について」

しかし数週間後、区長名で帰ってきた回答は、当会の質問に対して直接答えるものではありませんでした。下記の回答を、ぜひご覧ください。
 2013年3月6日 【回答来ました】公開質問状(請願書)の回答公開!

着目すべきは、この回答で補食廃止の理由として、従前に主張して来た「肥満」などには一切触れていないことでしょう。

そして新たに、「遊びと学びの時間を途切れさせないため」「すべての児童に分け隔てなくするため」という文言が登場しました。

アエラの記事では、学齢期の子どもの適切なおやつの必要性を、栄養学の専門家(大学教授)の意見をいただきながら説いています。その中で、決して「栄養摂取」だけではない「生活の場」としての学童で、おやつが「ほっとする時間」であるという、情緒面での大切さにも触れています。

続いて、②「2事業一体運営が背景」、そして③「”分け隔てない対応”」において、廃止の背景には、自治体の待機児童解消のための「全児童対策事業(←すくすくスクールもこれ)があるとしています。学童保育の待機児童数が多いことが問題になっている昨今、全児童対象にすれば、数字上の待機児童は「0」になるからです。

記事は最後に、④「子ども目線で居場所を」にて、生活の場としての学童保育の大切さを訴えて結んでいます。

生活の場。学童”保育”であること。

おうちに誰かいて「すくすく」に「遊び」に来た児童とは違い、学童っ子は帰ってもおうちに誰もいません。(だからこそ、保護者は区に就労証明書を提出して学童登録を行ない、月額4,000円の学童費用、月額1,700円の補食費用を支払っていました。)そして、そこで過ごす時間が長い学童っ子だからこそ、過ごす時間の「質」が大切であると、多くの保護者は考えます。

この考え方は、いまの日本の、国家としての考えでもあります。昨年8月に成立した「子ども・子育て支援関連3法」でも、女性の就労支援等の観点などから、学童保育の充実が必要であると謳われています。

時を遡り平成15年、江戸川区において従前の「学童保育」が、「すくすくスクール」という、全児童対象の事業になってから、江戸川区の学童はどうなったでしょうか?

「分け隔てない」「平等」という視点の元、「おやつ」をはじめ、学童児「生活の場」としての様々な要素が失われて来たのは、江戸川区の働く親はご存じのとおりです。ここは「補食問題」を扱う会ですから、あえて書いていませんが、他にも失われた学童「保育」の要素は、いくつもあります。

実は板橋区においても、来年度から区内11校において、学童保育と放課後対策事業の一体化が発表されたそうです。そして再来年度には区内全校で実施するとか。そして一体化後は、「学童のおやつは17時」になるとの情報もあります。

すくすくスクールも、そうでした。江戸川区が全児童事業を導入しようとしたとき、学童の保護者は心配しました。「学童クラブ」が、「すくすくスクール」に一体化されることで、学童クラブの質が低下する方向に変わってしまうのでは? と。

疑問を抱く保護者に対して、当時の江戸川区は、「学童の質は確保するから」と説明(約束)し、一体化を進めました。そして初年度は1校で、2年後にはすべての江戸川区立小学校で、すくすくスクールに一体化されました。

そしてどうなったかというと…? あとはご存じのとおり。「おやつ」の時間は「3時や4時」から「5時過ぎ」になり、そして平成25年から「廃止」です。

その理由は、当初は「肥満」「アレルギー」「食材廃棄の無駄」でしたが、数か月して「平等に」「分け隔てなく」「遊びと学びを中断するのは好ましくない」と変わっていきました。いまもその主張は、変わらないようです。

板橋区でも、江戸川区が歩んだ道と、全く同じことが起ころうとしているのを、感じます。

最後に、平成25年7月9日に開催された「江戸川区教育委員会」の議事録から、引用しましょう。

この発言は、区内のある保護者が教育委員会に提出した「 陳情第4号 夏季休暇中における学童登録児の補食持参についての陳情」に対して、教育長からなされたものです。
※会議録全文はこちら


全体がみんな同じような環境で過ごせるようなこと」。
とのことです。

これが、江戸川区の考え方です。

本陳情の顛末について、詳しくは下記をご覧ください。
2013年8月10日 【おやつ自主運営への道】File No-001
 「せめて夏休み中だけでも、おやつの持参を認めてほしい…」

AERA10/21号は、先週の土曜発売でしたので、書店などには在庫のないところもありますが、Amazonなどではまだ売っています。ぜひお手に取ってのご一読をお勧めします。

ありがとうございました。

2013年8月22日

【おやつ自主運営への道】File No-002 「子どもたちの声を踏まえて、補食の議論をしてほしい」 行政は、声なき声に耳を傾けて…

アクセス、ありがとうございます。
久しぶりの更新となった前回の記事について、驚くほどたくさんの反響をいただきました。終わったかに見えた江戸川区学童保育の「おやつ問題」、まだ収束したわけではないようです。むしろその背後に、「江戸川区は、学童"保育"を、これからどんな方向へ進めようとしているのか?」という、より大きなテーマが横たわっていると、関わっている者一同が、そんな思いを持ちつつあります。

さて、前回の記事は、夏休み中の補食について陳情を出した事例でした。
この中で、区がすくすくスクールのクラブマネージャー、サポーター(どちらもボランティア参加している地域の方々)にアンケートで補食の必要性を質問した際、「補食がなくなってよかった」という選択肢に圧倒的多数で回答があった、ゆえに補食は必要ない、という区の論旨が紹介されました。

この部分を受けて、補食の必要性を本当に問うべき相手は、学童の主体である子どもたちではないか? という疑問を持たれた方がおり、それを陳情として提出されたそうです。

今回はこの事例をご紹介します。


まずは陳情文をご紹介します。


すくすくスクールの子どもたちに補食についてアンケートを求める陳情

7月26日の区教育委員会の定例会で、夏休み中の補食持参についての陳情第4号が不採択になりました。この会議で浅野教育長から「夏休みは時間が長いといっても学校があるときと変わらない。特別な配慮が必要かどうか」という旨の発言がありました。

補食の廃止が打ち出されてから、私たち保護者は親としての心配な気持ちとともに「補食がなくなるのは嫌だ」という子どもたちの思いを区に届けてきたつもりです。しかし、いま行われている議論はおとなだけの意見や考えであり、子どもの意見や考えが反映されていません。

時間だけを見れば、教育長がいうように学校があるときと変わりません。しかし、長期休みは通常の学校生活とは違います。子どもたちは特別な配慮を必要としているから、学童登録をしているのです。各家庭によって必要としている特別な配慮の度合いは違うでしょう。補食を必要としている子どもは少数かもしれませんが、そういう子どもたちの声に耳を傾けてほしいと思います。

以上の点を踏まえ、教育委員会の理念にあるように子どもの人権を尊重し、一人ひとりが安全な生活を送ることができるよう ▽補食があったほうがいいのか、なくてもいいのか、どうしてそう思うのか ▽夕方おなかがすいていないか ▽補食を食べる子・食べない子に分けられていたと感じたことがあるか などについて、すくすくスクールの主役である子どもたちにアンケートを実施してください。そのうえで、補食に関する議論が行われるようお願いします。

この陳情は、「陳情第6号」として、江戸川区ホームページの「教育委員会の会議」に掲載されています(「第15回定例会」の項目をご覧ください)。

そして8月13日(火)午後1時から行われた、教育委員会・第15回定例会で審議されました。傍聴に行った方から、レポートをいただきました。

なお教育委員会の公式な議事録が、江戸川区のHPにアップされるのは、過去の例を見ますとおよそ3ヶ月程度かかっております。しかしそこまで待てないということで、傍聴された方はメモで対応されたそうです。そのため、一言一句は正確ではありませんが、各々の発言の主旨はそのままであると、投稿いただいた方から伺っております。

以下は投稿文、【注】の部分は当会による注釈です。

陳情6号の審議を傍聴するため、教育委員会の傍聴に行ってきました。出席者は、前回と同じく教育長を含む委員の方々4名と、すくすくスクールの担当課課長など複数の区職員の方でした。

まず陳情6号について、担当課長から内容の朗読がありました。これに対して、前回、教育委員会の基本方針などを挙げて、補食の必要性を再議論すべきだとした委員の方(委員Aさん)から、下記の発言がありました。

委員A
「アンケートを行うことは賛成。アンケートをとるのであれば、子どものアンケートだけでなく、保護者がどう考えているのかを含めて、アンケートをとることをしてさし上げたい。陳情内容を(子供だけでなく、その保護者もと)広義に捉えて、YESという回答でもいいのか?」


委員長
「小学校1年から6年生で、学童クラブとなれば特に低学年の子どもたちが中心になる。これら質問に対してどう答えるか。1つめの『補食があったほうがいいのか』という質問には、そりゃああったほうがいいいいよ、と思うかもしれない。2つめの『夕方おなかがすいていないか』という質問には、夕方になれば大人だってお腹がすいてくるわけで、すいているよとなるかもしれない。3つめの『食べる子、食べない子に分けられていたと感じることがあるか』という質問は難しい。…補食が廃止になって1年ですか?」


ここで、担当課長から「いえ、4月に廃止になりました」と、訂正の報告がありました。学童の補食の廃止は、ご存知の通り平成25年4月からです。ここで委員長は、いつから補食が廃止になったのかを知らずに議論を進めていたことが判明しました。

委員長
「子どもたちにアンケートをとること自体どうなのかな? 生徒からアンケートをとるという場面はそう多くない」


委員B
「低学年が多いすくすくの子どもたちには、すごく難しい質問だ。正確な判断は難しい」


教育長
「子どもに素朴に聞く…内容的に難しい。人権を尊重し、などと言われるが、(すくすくスクールを運営するにあたって)我々は決定的に子どもたちにプレッシャーをかけることはしていない。それを前提にすると、アンケートをとって、いったいどうするのか? とったその後、どうするということなしにやれない。陳情の中でも少数意見とあるが…改めて今これをやるべきではない。子ども皆にアンケートをとるというのは、それなりに重みにあることだ。これはすくすくのことだけでなく、子ども全般のサービスに関わることで、(いちいち子どもに)意見を聞くことはない。保護者に聞いて判断してやることだ」


委員A
「クラブマネージャーに聞き取りを行うのは、運営責任者の立場だから当然のこと。保護者の意見を吸い上げていなくてよろしかったでしょうか?」


課長
「(補食廃止の)お知らせをした直後に、説明会を開いた。全すくすくで行った【注1】。いま保護者の方々が自主的に運営させて欲しいと言ってきたのは11校、今現在言っているのは1校だ」


【注1】担当課長より、「全すくすくで、補食廃止について説明会を行った」とありますが、現在当会で把握している限りでは、廃止前の平成25年2~3月の間に、保護者向けの説明会を開催したと確実な情報があるのは、区内で1校のすくすくだけです。

多くの学校では、1月に教育委員会発行の手紙「すくすくスクールにおける補食の廃止について」を子どもが持ち帰ってきただけで、その後の説明会は一切なかったとの情報が多くあります。
また手紙配布後、保護者が説明会の開催を担当部署に要望したものの「断られた」「開催の必要はない」と回答があった、という情報が何件も寄せられています。


ここに、「全すくすくで行った」とする区側の説明と相違があります。もし、「うちも補食廃止の説明会が開催された」という区内の情報がありましたら、事実確認のためぜひメールで(こちら)お寄せください。

委員長
「『自主的に運営させて欲しい』が11校、今でも言っているのが1校というのは、おおむね教育委員会の意見が受け入れられていると見ていいのか?」


課長
「はい。ほかには陳情書、区長への手紙などをいただいている」


委員B
「6時に帰宅するとおなかがすくというのは当然。10~15分くらいで帰宅するとすれば、その段階で保護者が栄養面とかを考えて予め料理をしておけばいい【注2】。5時に補食をだしていたことを考えれば、6時過ぎというのはわずかな時間の差だ。保護者の帰宅が遅くて8時、9時帰宅というケースもありうるだろうが……今までのすくすくの5時に補食をさしあげるのであれば、私は十分間に合うものと思う。自宅で生活のリズムの中で子どもに提供してあげればいい」


【注2】都心に通勤して6時まで子どもを学童に預けている母親の場合、5~6時の時間帯は通勤電車の中にいる場合が多いため、栄養面などを考えて食事を作り6時15分に子どもに提供することは困難、という事実も一方であります。

委員Bさんが少しだけ触れているように、「保護者の帰宅が遅くて夕食が8時、9時」というケースがあるからこその、学童の補食のニーズです。

教育長
「区議会の文教委員会の場でも、すくすくと学童クラブは別で、学童クラブは特別の配慮が必要という議論をしているようだが……補食希望者が減ってきているので廃止という方向が出たわけだし……一般登録児童も学童クラブ児童も一緒だ。夏休みも普段も一緒。一緒に過ごすのだから一緒にいる以上は同じでないとだめ。アンケートをとるなら、学童の子、一般の子も入れるのか、そういうところまで踏み込んでやるべきではない」


委員A
「説明会は、全校で開いているのは事実でしょう
【注3】。ただその場にいらっしゃらなかったような方々から、意見をくみ上げるような丁寧な動きをとられていらっしゃいましたでしょうか?」

【注3】注1でも触れたとおり、説明会があったという区内の小学校は、全73校のうち1校のみ、という情報があり、「全校で開催した」という情報と相違があります。もし「うちも開催された」という情報がありましたら、ぜひ当会にお寄せください。ご連絡先はこちら

課長
「とくに欠席者に対しての説明はしていない」


委員A
「声なき声といいましょうか。説明会にきて発信される方は、補食がなくなってどうなるか、わかっている人たちだと思う。補食がなくなるとどうなるか、読みきれない部分もあったと思う。説明会にも出られなかった、通知ももらったが、実際廃止されてみて初めて、『これって結構困るわ』『とんでもないわ』と思っている人も多いように思う。行政って『一度決めたらこれでいいでしょう?』ではなくて、途中で修正することがあっていい。(今回の問題だけでなく)教育もそうですが、3歩進んで2歩下がるくらいのことが大事。うしろを振り返るような、そういうことを悪しとはしない、良しとすることが大事だ」


委員長
「今日はアンケートについて陳情なので、議論をもとにもどしたい。子どもへのアンケートをとることを求める陳情に対して、採択、不採択をとります」


採択   委員A
不採択 他の委員3名
……よって不採択。


教育委員会の委員長の立場にある方が、学童クラブの補食廃止がいつから実施されているかも知らずに、陳情書の議論を進めていたことに驚きました。いったいこの方々は、何のために、誰のために、区民からの大事な陳情を議論しているのでしょうか? 教育委員会が、区長が実施する政策をただ追認するだけの機関と思えてなりません。

その中で委員Aの方が、前回に続き陳情書に賛成の立場で発言されたことは、本当にうれしく一筋の光を見る思いがしました。「声なき声に耳を傾けよう」「3歩進んで2歩下がることも大事」という言葉に、区民本位の行政って本当はそうあるべきと、強く思いました。

投稿は以上です。ありがとうございました。皆様のご参考になれば幸いです。
引き続き、次のレポートを準備して参ります。よろしくお願いいたします。

2013年8月10日

【おやつ自主運営への道】File No-001 「せめて夏休み中だけでも、おやつの持参を認めてほしい…」 A小学校学童保護者の場合

みなさまこんにちは。アクセス、ありがとうございます。 諸般の事情により、更新することができずに数か月がたちました。 今年の 4 月から江戸川区の学童に「おやつ」がなくなり、子どもたち、保護者、それぞれから、多くの声がこちらにも届きました。

さて、そのような状況に陥った 4 月から今までの間、区内の複数の小学校において、学童の保護者が自発的に動きだし、あるところはつながり、あるところは単独で、子どもたちになんとか「おやつ」を食べさせたいと活動をしてきました。

特に、多くの働く保護者がなんとかしたいと願ったのは、「夏休み」です。

夏休み中は、授業や様々な学校活動、多くのお友達に囲まれて変化のある毎日とは違います。日によっては、学校によっては、すくすくに数人しか来ない時もある夏休み。9 時から 18 時までを、すくすくホームルームを中心とした限られた範囲で過ごす学童の子どもたちに、おせんべい一枚、アメ一個でも口にさせて、お腹を満たすためだけではなく、心も満たすほっとしたひと時を作ってやりたい……そんな親の思いから発した、「せめて夏休みにおやつを」の願いです。

残された道は、「自主運営」。江戸川区が、「自主運営なら」、と一筋の道を垣間見せてくれた以上、保護者としてはその道を切り拓いてゆくしかありません。

しかし自主運営と言っても、具体的に実現可能な中身とは? 4 月の段階で、全く見え ていませんでした。そして多くの保護者が、各々、本件の担当部署に 問い合わせても、当会で把握している範囲では、明確な説明を得た保護者はいなかったとのことです。

どのような自主運営ならよいのか? どのような自主運営なら、働く親が、適切な時間に、学童保育に預けている子どもにおやつを食べさせることができるのか? その活動の報告は、当会に続々と舞い込み、多くのレポートとなって寄せられました。

本日より、「江戸川区・すくすくスクール学童 おやつ自主運営への道」と題しまして、 寄せられたレポートを掲載して参ります。


第一のケースは、7 月上旬、江戸川区教育委員会に「夏休み中の補食持参についての陳情」を出されたA小学校の学童保護者のケースです。


陳情本文をご紹介しましょう。

「江戸川区では今年度からすくすくスクール学童登録の子どもたちの補食が廃止されま した。
夏休みを目前に控えてのお願いになりますが、長期休暇中は長い子どもで朝9時から 夕方6時まで、ホームルームと校庭という限られた空間で生活することになります。暑い中過ごすため、普段より体力も消耗するでしょう。

そんな子どもたちに少しでもほっとできる時間を与えてあげたいと思っています。せめて夏休みにおきましては、補食を持参できるよう措置をお願いします」

なおこの陳情書は、「教育委員会陳情第 4 号」とし、こちら に掲載されています。
(「平成25年7月~12月」の部分をご覧ください)

さて、この陳情 4 号は、7 月 9 日に開催された「江戸川区教育委員会・第 13 回定例会」で審議されました。その委員会を傍聴に行った保護者の方が、当会にお寄せ下さったレポートをご紹介いたします。以下、投稿文になります。なお【注】は、当会による注釈です。

「7 月 26 日の教育委員会会議に傍聴に行った記録を送ります。固有名詞や細かい文言で正確 さに欠けますが、だいたいの主旨をお汲み取りください。

【注1】  教育委員会の議事録は、時間を待てば区から正式なものが公表されますが(会議録として、こちらにUPされます)、過去の例を拝見しますと、Web公開まで2~3ヶ月程度のお時間を要しておりますため、 傍聴に参加された保護者の方はメモで対応されたとのことです。

発言者は、次の方々です。

・浅野潤一教育長を含む、江戸川区教育委員会の構成者 全4名
・すくすくスクール担当の教育推進課長

さて審議です。

先にご紹介した陳情4号のほか、陳情5号も出ております。ほぼ同じ内容なので、ここで審議するということになりました。まずその内容の紹介がありました。

"......4 月から学童クラブ補食が廃止になり、子供たちは寂しくひもじい毎日を過ごしている。夏休みは 9 時から 6 時までと長く、子供たちの様子を考えると、 親として心配で不安で仕方がない。せめて夏休みだけは補食の持参をさせて欲しい......"

これを受けて、まず委員の方から発言がありました。

この方は、教育委員会としてどういう立場をとったらよいかを考察され、まず江戸川区教育委員会の基本方針【注2】を挙げました。

【注2】 江戸川区教育委員会の基本方針は こちら に掲載されています。

そして、この基本方針に立ち返るなら、教育委員会としては、最も子どもの成長を願っている保護者の意見を尊重し、補食についても前向きな検討をするべきではないか、という提言をされました。

区が当初挙げていた「肥満」などの補食廃止理由【注3】については、例えば、保存性に気をつけながら各家庭が子どもに持参させることで克服できるのではないか、という内容の提言をされたと思います。

【注3】  補食廃止の手紙の実物は こちら からダウンロードできます。

この発言について、すぐに直接の討論はなく、前回の教育委員会で学童クラブの現場に補食についての意見を聞くことを決めていたため、担当課長からその報告がありました。

課長
「前回の会議の提案で、全学童クラブで調査をすることになった。クラブマネージャーとサポーター【注4】あわせて 67 人の聞き取りをした。クラブマネージャーがいないすくすくスクールは 7 校ある」

【注4】   「すくすくスクール」における「クラブマネージャー」「サポーター」の位置づけについては、江戸川区HPの こちら をご参照ください。
「クラブマネージャー」とは、地域とすくすくスクールをつなぐ調整役、「サポーター」は地域のボランティアの方です。
クラブマネージャーは毎日来るとは限りませんし、サポーターは、主にサポートセンターの行事(児童向け各種レクリエーションなど)の時に、すくすくに来られているようです。

なお日々の児童の見守り、活動状況の把握は、「サブマネージャー」という区職員(保育士など子どもに関する有資格者)が担っています。今回は、このサブマネージャーからの聞き取りはなかったようです。

課長発言の続きです。

■質問1 子どもたちの 5 時以降の様子はどうか?

(クラブマネージャーまたはサポーターの回答)
何も問題なく、たまにお腹が空いたという子どもがいるが、子どもは順応性があり楽しくすご している。

■質問2 補食について必要と思うか

(クラブマネージャまたはサポーターの回答)

「継続したほうが良い」が 4人。

「必要な子には出すべきだ」が 3 人。

    理由…あったほうが落ち着く。夕飯が遅いとかわいそうだ。

「なくなって良かった」が 60 人。 

    理由…なくていいと思っていた。差別がなくていい。
        お腹が空いても我慢して夕飯を食べたほうがいい。
        食べない子がいる中での補食には問題がある。

(このアンケートは、親が補食を用意することではなく、区が補食を出すことが前提になっているそうです)

この後、さらに別の委員から、すくすく職員に直接聞いた話として、「子どもが遊びに夢中になっている中で補食は不必要である」とか、「補食は夕方なので腐る心配がある」という意見を聞いたという報告がありました。

教育長からは、「補食を持参させて欲しい、自由に持って来られるという環境は、これまでやってこなかった。 すくすくスクール全体の共通の場で、共通の生活をさせたい。食べる子、食べない子がいるのは難しい。バラバラになってしまう。もしやるとなるといろんなことが起こる。いつどこで食べるのか、何を持ってくるのか。夏休みは時間が長いといっても、学校がある時と変わらない。そこに特別な配慮が必要かどうか? 全体が皆同じ生活ができるようにしたい。個別に持参させてくれというのは受け入れられない」

という趣旨の発言があり、委員2名からも、教育長に賛意を示す発言がありました。

補食を提供しない理由として、「すくすくスクールは教育の場でもある」「子どもに我慢させることも大事だ」ということも、ここで挙げられています。

また夏休みは一日が長いと言っても、「休息できる時間は設けており、水で水分補給できるよう配慮しており、夏休みだからといって特別な問題はない」という考えも示されました。

採択に関して、ここで壁を作らず継続審議とする提案もありましたが、委員長は採択不採択の結論を出すことを選択。挙手にて 採択 1 人、不採択3人。この陳情は不採択となり、約 30 分で審議は終了しました。

補食持参を支持してくださった一人の委員さんは、「子どもの人権尊重、健全な育成を願って、教育委員会と学校、関係諸機関、区民とが連携を深め、一人ひとりが安全な生活を送ることができるようにつとめていきます」という教育委員会の理念に立ち返るべきであることを訴えて いました。

一方、委員のお一人は、子どもから補食を取り上げておいて「子どもも我慢することが大事だ」と言い放ちました。

なんと大人の都合、行政の都合を弱い立場である子どもたちに押し付けたご都合主義でしょうか。

教育長が再三言っていたように、食べる子と食べない子を分けられないということを理由にするのであれば、全児童放課後事業と学童クラブを合体させたことそのもの【注5】が間違いだったと言わなければなりません。 

【注5】  江戸川区は2003年、区内1校において試験的に、それまでの区の「学童クラブ」を、「全児童放課後事業(名称:すくすくスクール)」に統合。翌2004年には、区内の全小学校の学童クラブを、「すくすくスクール」に統合しました。
この統合当時も、学童の「おやつ」はいったん廃止の俎上に乗りましたが、学童保護者たちの強い働き掛けにより、学童保育時代の「おやつ」から「補食」と名を変え、提供時間や方法など変更しつつ、2012年3月末まで継続され、2013年4月から廃止となりました。

また質疑の中で、担当課長から、すくすくにかかわるスタッフ67 人に聞き取り調査をしたという報告がありました。しかしこの67人のうち、「クラブマネージャー」が何人か、「サポーター」が何人かは、報告がありませんでした。

さらに、子どものことを最もよく知るのは「サブマネージャー」です。実際に、これまで補食を出す役割だったサブマネージャーへの聞き取りがされていないことが疑問です。

「補食について必要と思うか」という質問は、具体的にどのような聞き方をしたかで答え方も変わると思います。補食が廃止されてしまった後に、行政執行者からこの質問をされて、あえて「必要」と答える人は、ある意味、区の施策に反対の意向を示す事になるわけですから、とても勇気が必要であることだと推察します。

この質問が、補食が廃止される前に、もっといえば午後3時半や午後4時ごろに補食が提供されていた頃にされていたなら、ほとんどの人が「必要」と答えたのではないでしょうか? 

親が働く子どもたちが、毎日の放課後生活でおやつを提供されていた学童クラブ。その機能を奪っておいて、悪いほうの平等を押し付けるのは「他の人を思いやる心の育成に努めます」という教育委員会の理念からも外れるのではないでしょうか。

レポートは以上です。長文のご投稿、ありがとうございました。
本記事が、多くの方のご参考になれば幸いです。

今後また、他校保護者からのレポートをご紹介して参ります。

2013年7月28日

【予告】更新が再開できるか?不透明な部分はあれど、多くの材料が揃いつつあり…

ウォッチ頂いている皆様、ありがとうございます。
大変ご無沙汰いたしました。

いま多くは書けませんが、お伝えできる情報がそろってきて、またお伝えできる状況になりつつあります。明日か、来週かはわかりませんが、現状をリポートしていきます。

お待ちください。